年金なんでも解決塾

難しそうな年金を、分かりやすく解説します

加給年金と振替加算(夫婦ともに20年以上)

夫婦ともに厚生年金の加入期間が20年以上ある場合の、加給年金と振替加算については、下記の通りとなります。(一般的な事例)

 

夫の特別支給の老齢厚生年金の定額部分の開始年齢になると、加給年金が加算されます。

 ↓

その後、妻が60歳になり特別支給の老齢厚生年金を受け取ると、夫に加算されていた加給年金は支給停止になります。

 ↓

妻の年金に加算される加給年金については、夫がすでに特別支給の老齢厚生年金を受け取っているため、初めから支給停止となります。

 ↓

夫婦とも厚生年金の加入期間が20年以上あるため、夫婦とも振替加算は加算されません。

 

したがって、この例では、

 

「夫の特別支給の老齢厚生年金の定額部分の開始年齢」から「妻が60歳になり特別支給の老齢厚生年金を受給する」までの間、加給年金が加算されるのみとなります。

 

 

法定免除のときでも、届出が必要

国民年金の保険料の免除には、「申請免除」と「法定免除」があります。

 

申請免除とは、失業してしまい保険料を納めることが難しいときなどに、こちらから保険料の免除を申し出るものです。

 

それに対し、法定免除とは、法律で定める条件に当てはまれば、当然に保険料が免除になるというものです。

 

具体的に、法定免除に該当する条件は以下の通りとなります。

 

1級か2級の障害年金を受け取っている

生活保護を受けている

国立ハンセン病療養所などで療養している

 

ただし、これらに当てはまっていたとしても、その届けがなければ、日本年金機構としてはその人が法定免除に当てはまっているかどうかを知ることができません。

 

したがって、法定免除の条件に当てはまっているときは、「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を提出することにより、法定免除の手続きが完了することになります。

 

法定免除の手続きを忘れていた場合でも、後から「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を提出すれば、さかのぼって法定免除が認められます。

 

 

「基礎年金番号」の数字には意味がある

平成91月より基礎年金番号制度が導入され、20歳になったとき、あるいは、20歳前に就職したときに、10桁の数字から成る基礎年金番号が割り振られます。

 

基礎年金番号は、一度割り振られると原則として生涯変わることのない、重要な番号です。

 

基礎年金番号は、「〇〇△△―□□□□□□」のように、「4桁―6桁」で構成されていますが、それぞれの数字には意味があります。

 

最初の2桁(〇〇の部分)は、都道府県を表しています。

例えば、東京は「21」「22」、神奈川は「31」、大阪は「41」です。

 

次の2桁(△△の部分)は、管轄の年金事務所の番号となっています。

また、基礎年金番号を割り振られたときに厚生年金に加入していた人は「0049」、

基礎年金番号を割り振られたときに国民年金に加入していた人は「5099」のいずれかとなります。

 

最後の6桁(□□□□□□の部分)は、その人のみに与えられた番号となります。

 

なお、共済組合に加入している人は、「9000番台」から始まる基礎年金番号が割り振られます。

2月の年金額が極端に減った理由とは

2月の年金の支給額が極端に少なくなっていて、驚かれる方がいらっしゃいます。

 

多いときでは、前年12月と比べて数万円程度少なくなっていることもあります。

 

2月の年金額が極端に少なくなった場合、その理由の多くは、「扶養親族等申告書」を提出していないためです。

 

「扶養親族等申告書」は、前年11月頃に日本年金機構から送られてくるもので、記入して返送することにより、税金の様々な控除を受けることができます。

 

「扶養親族等申告書」を提出していなかったために、税金の様々な控除を受けることができず、2月の年金の支給額が少なくなっていたということです。

 

この場合、最寄りの年金事務所へ行き、「扶養親族等申告書」に記入をして提出すれば、2月支給分も含めて税金が再計算されますので、多く引かれた税金はすべて戻ってくることになります。

 

また、12月時点においても「扶養親族等申告書」を提出せずに税金を多く引かれていた場合であっても、翌年に確定申告をすれば、多く引かれた税金の還付を受けることができます。

繰り下げ受給の手続き方法

本来の年金の受給開始年齢は65歳ですが、年金の受け取りを遅らせることによって、1か月あたり0.7%ずつ年金額を増額させることができます。

 

「繰下げ」と呼ばれる制度で、限度である70歳まで受け取りを遅らせると、年金額が42%増えることになります。

 

 

「繰下げ」をするときの手続きは、以下のようになります。

 

・老齢基礎年金のみ繰り下げるとき

 …年金請求書の「老齢基礎年金のみ繰下げ希望」に〇を付けて、提出する

 

・老齢厚生年金のみ繰り下げるとき

 …年金請求書の「老齢厚生年金のみ繰下げ希望」に〇を付けて、提出する

 

・老齢基礎年金、老齢厚生年金のどちらも繰り下げるとき

 …年金請求書を提出しない

 

 

繰り下げ受給を開始したいときは、年金請求書と「老齢基礎年金・老齢厚生年金支給繰下げ請求書」の両方を提出します。

 

請求書を提出した翌月から、繰り下げになった年金を受け取ることができます。