年金なんでも解決塾

難しそうな年金を、分かりやすく解説します

積立方式と賦課方式

年金制度には、「積立方式」と「賦課方式」の2種類があります。

 

大まかに言うと、現在自分で納めた保険料を将来自分が受け取るのが「積立方式」であるのに対し、「賦課方式」とは、現在自分で納めた保険料を現在の受給世代の年金の支払いに充てるというものです。

 

日本の公的年金制度は「賦課方式」となっています。

 

徴収した保険料をすぐに年金の支払いに充てているというイメージです。

 

理論上、現役世代からほんのわずかでも保険料が徴収され続ける限り、受給世代の年金の支払いが完全になくなるということはありません。

 

ただし、保険料率の伸びが抑制され、保険料を徴収すべき現役世代の人数が減っていくことは明らかですので、保険料収入の減少に応じて、年金の支払額が減ったり年金の支払時期を遅らせたりすることは想定しておかざるを得ないでしょう。

 

いずれ年金財政が厳しくなることを見越して、将来の年金の財源を確保するために年金資産を運用したり、マクロ経済スライドと呼ばれる仕組みにより年金の上昇を抑えたりしているのが現状です。

 

世代間の不満は確かにありますが、年金制度ができた昭和36年当時は保険料を全く納めていなくても年金を受け取っていた世代がいて、それでも当時の人たちがそれを受け入れて年金制度を今日まで引き継いだことを考えれば、現在の私たちもある程度は我慢しなければいけないのかもしれません。

 

年金は長生きするリスクに備えるための保険であり、保険料の収入と年金の支出のバランスがとれるように制度を正しく運用し続ける限り、年金制度が破綻することはないと考えます。